遺産相続の対象者、割合は? 法定相続人とその相続分
遺産相続の対象者は法定相続人、相続する割合は相続分と呼ばれます。これらは、民法で定められています。
相続 10のポイントはこちら
遺産相続の対象者と割合
法定相続人と相続分は、次のとおり定められています。
- 配偶者と子供がいる場合
配偶者が2分の1、子供が2分の1 - 子供がおらず配偶者と故人の親がいる場合
配偶者が3分の2、親が3分の1 - 子供も親もおらず、配偶者と故人の兄弟姉妹がいる場合
偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1 - 配偶者も子供も既に死亡している場合
故人の孫 - 配偶者も子供も親もおらず、兄弟姉妹も死亡している場合
故人の甥や姪
一方で、法定相続人が一人もおらず天涯孤独の方もいます。この場合は、特別縁故者が家庭裁判所に財産分与の申し立てをすることも可能です。
結果として、特別縁故者もおらず、誰も相続をうける人がいない場合は、相続財産は国庫に帰属することになります。
遺言書による対象者
法定相続人以外に財産を遺したい、こんな時は遺言書が有効です。
たとえば、離婚経験があり、先妻との間に子供がいる方などは、今のパートナーと事実婚である場合にはパートナーには法定相続分はありません。
つまり、自分を愛してくれた人に遺せるものがないのです。
しかし、遺言書によれば、事実婚の相手、配偶者ではなく愛人、晩年の世話をしてくれた人(介護の報酬を受けていた人は除きます)、特定の団体(寄付)等を遺産相続の対象にすることも可能です。
このため、遺言書は、大切な人を守るために書くものだと私は考えています。
ただし、いくら遺言書で愛人に全額相続させる、と記していても、遺留分(法律で守られるべき権利)があります。つまり、実際には配偶者にも遺留分を請求する権利があります。